アスベストは天然の繊維性ケイ酸塩鉱物の総称で、「石綿(せきめん、いしわた)」ともいう。
石綿は、石炭と同じく掘り出して採取するので、価格が安く、建築物の外壁材、内装材、断熱材、防音材に、船舶・鉄道では、断熱材、防音材に工業製品としては、自転車・自動車・鉄道車両のブレーキパット、クラッチ板などに使用されてきた。
しかし、1972年(昭和47年)、ILO(国際労働機関)・WHO(世界保険機構)が、肺がん、中皮腫(悪性腫瘍)などと関連していると指摘し、人体や環境への有害性が問題となった。
石綿は15年から40年の潜伏期間を経て、肺がん・中皮腫・アスベスト肺・胸膜肥厚などの病気を引き起こす恐れがあり、吸い込んで肺の中に入ると発病しやすいことや、潜伏期間が長いことから「静かな時限爆弾」とも呼ばれている。
宅建業法では、建物について石綿の使用有無の調査の結果が記録されている際は、その内容を説明することとされている(宅建業法施行規則16条の4の3第3号)。