第1種低層住居専用地域又は第2低層住居専用地域において建物を建築するときは、その建物の外壁を隣地境界線や道路境界線から一定の距離だけ後退させなければならない場合がある。
これを「外壁の後退距離の制限」という。
建基法54条1項は、「第1種低層住居専用地域又は第2種住居専用地域内においては、建築物の外壁又はこれに代わる柱の面から敷地境界線までの距離(以下この条及び86条の6第1項において「外壁の後退距離」という)は、当該地域に関する都市計画において外壁の後退距離の限度が定められた場合においては、政令で定める場合を除き、当該限度以上でなければならない」とし、同法54条2項で「都市計画において外壁の後退距離の限度を定める場合においては、その限度は1.5m又は1mとする」と定めている。
外壁の後退距離は、低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため必要な場合に制限され、必ず定められるとは限らない。
「外壁の後退距離」が定められると、建築物どうしの間に一定の空間が常に確保されることになり、日照・通風・防火などの面で良好な環境が形成されることになる。
<緩和>
建築物又はその部分がいずれかの場合は制限されない(建基法施行令135条の20)。
①外壁又はこれに代わる柱の中心線の長さの合計が、3m以下であるもの。
②物置その他で、軒の高さが2.3m以下で、かつ、床面積が5㎡以内であるもの。