不動産業の開業は難しくない!手遅れにならないために!

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contents-68-1不動産業の開業はけっして難しいものではありません。

小資本、少額の資金で始めることができます。

不動産業にはさまざまな分野があります。

大きな区分としては、「売買」「仲介」「賃貸」の3つがあります。

いずれかひとつを専門とする業者もあれば、すべてを扱っている業者もあります。

ここでは「小資本・少額資金で開業する」ことを前提として、自社で建築したマンションや戸建て住宅を販売する形態の会社を開業するケースは除いて、「仲介」と「賃貸」に限定した説明をすることとします。

不動産業の開業の流れ

不動産業は免許制、自由に開業できるわけではない。

不動産業を開業するには、国土交通大臣または都道府県知事の免許を受ける必要があります。

2つ以上の都道府県に事業所を置く場合は国土交通大臣、つまり国の免許が必要になり、事業所は1カ所のみ、または複数億場合であっても、そのすべてが同じ都道府県内である場合は、都道府県知事、つまり都道府県の免許が必要になります。

事業所を設置する。

まず、事業の拠点となる事業所を設置します。

事業所や店舗を解説する場所に制限はありませんが、仲介・賃貸のいずれにおいても、利便性の高い駅前のテナントが望ましいかと思われます。

事業所を法人とするか個人事業として行なうかは予算の面で判断されることになるかと思われますが、

可能であれば、法人にしておいた方がいいでしょう。

売買物件の仲介業務を行なうことになれば、大きな金額をやりとりすることになるため、法人格を持っていたほうが、お客様に安心と信頼を感じて頂けることになります。

宅地建物取引士の確保

不動産業の会社には、宅地建物取引士を最低1人以上常駐させることが義務づけられています。

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従業員5人に対して1人の資格者の設置が必要とされているため、5人までであれば資格者は1人でよいのですが、6人を超えると2人の資格者が必要になります。

もちろん、開業される方が宅地建物取引士の資格をお持ちであればそのまま1人としてカウントされます。

当初、5人以内の少人数で開業されるのであれば資格者は1人で問題ありませんが、人数を増やすことになった場合は、できるだけ多くの資格者を確保することが必要になります。

宅地建物取引業免許の申請

事業所の開設と、宅地建物取引士の確保ができたら、免許の申請をします。

免許の審査が行われ、特に、宅地建物取引士の人数、代表者や法人の役員が破産者、禁治産者、その他の欠格事由に該当していないか等、登録の基準を満たしているかを確認されます。

全宅保障、宅建協会への入会

不動産取引では高額な売買代金を扱うことになります。

そのため、不動産業者は事故が発生した際に損害賠償ができるようにとの観点で、法務局に1000万円の供託金を預けることが義務づけられています。

ただし、全宅保証に入会することで、この供託義務が免除されます。

一般的に不動産業を開業する際には、この全宅保証と都道府県の宅建協会に同時に入会することが常識となっています。

不動産業を開業するメリット

少額の資金で始めることができる

不動産業を開業する大きなメリットとしては、比較的少額の資金で始められる事です。

初期費用として必要になる金額のうち、事業所の取得にかかる費用と、全宅保証の分担金60万円の支払いが大きな割合を占めます。

その他はさほど大きな費用がかかることはありません。

土地や建物を仕入れて売るとなればまた別で、何千万円、何億円といった仕入れ資金が必要になりますが、仲介や賃貸のみの業務を行なうのであれば、その資金は不要です。

大きな利益を得られる

売買の仲介においても、賃貸においても、利益の額が大きく、費やした時間に対する利益額が大きいことが、不動産業開業の最大のメリットだといえます。

不動産業における利益

売買の仲介を行なった場合の利益

土地や建物の売買契約を成立させることを「仲介」といいます。

一般的には、売りに出されている不動産物件を購入する方を探すことが主になります。

仲介をして契約が締結された際、仲介手数料を得ることができます。

この金額が不動産業者の利益となります。

不動産物件の金額が400万円以上である場合、その売買金額の3パーセント+6万円が仲介手数料となります。

たとえば、2000万円の不動産物件の売買を仲介した場合、66万円を仲介手数料として得ることができます。

賃貸の仲介を行なった場合の利益

賃貸マンションおアパートその他の賃貸契約の仲介は比較的簡素に行なえます。

物件の仲介から契約までの時間もさほどかからずにまとまることが多くあります。

そのため、1日に1人で3件や4件の契約をまとめることも珍しくありません。

賃貸住宅の仲介においても、仲介手数料を得ることができます。

この場合、不動産物件の貸主と借主の両者から最大で家賃の1か月分までを仲介手数料として受け取ることができます。

家賃が5万円の物件であれば、貸主と借主の両方から5万円ずつ、合計10万円を手数料として受け取ることができるのです。

不動産業を開業した方の成功、そして失敗体験

勤めていた銀行の吸収合併で、出世の望みがなくなったと感じた山本さん(仮名)は、退職金を資本にして不動産業を開業しました。

銀行の業務で不動産にかかわることも多くあったため、銀行の方針で宅地建物取引士資格を取得していたこともあり、実務は未経験ながら、不動産の世界にとびこみました。

駅前の古いテナントビルに小さな事務所をかまえ、主に売買物件の仲介業務を始めました。

銀行出身とあって、ローンの業務は得意ですし、得意先係の仕事を長く続けていた経験により、お客様への接し方や物件の勧め方、そして何より親身になって購入の相談にのる態度が高く評価され、順調に業績をあげていきました。

月収も銀行時代を上回り、しばらくはそのことに満足していましたが、やがて、事業を拡大していこうと考えるようになります。

まず会社を大きくして、自分は社長業に専念して営業の現場から引退したいという思いもありました。

そのため、営業社員を新たに募集することにしました。

ハローワークに求人募集を出すと、数名の応募がありました。

全員を採用することはできないので、即戦力になると考えた業界経験の長い1名を採用しました。

しかし、その社員は期待していたほどの業績を上げることがありません。

毎日まじめに仕事をしているようですが、なぜか契約がとれないのです。

その状態が数か月続き、おかしいと思い、興信所を使ってその社員の行動調査をしてもらいました。

すると、その社員の不正行為が発覚したのです。

自社で開拓したお客様に対して、知り合いである他社の物件を勧めて、そこで契約させて紹介手数料を受け取っていたのです。

山本さんは即刻その社員を解雇しましたが、その数カ月間、その社員に払った給料や、本来は自社に入るはずだった仲介手数料など多大な損害を被ることとなりました。

まとめ

不動産業の開業はけっして難しいものではありません。

ただ、どんな仕事でもそうですが、簡単にできるものではありません。

「簡単に儲かりそうだ」と軽い気持ちで始めるべきではないですね。

しかし、懸命にとりくめば、成功は夢ではありません。

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