宅建士(宅地建物取引士)の年収や難易度について解説!その魅力とは?

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contents-66-1宅地建物取引士とは、宅地建物取引における専門家として助言や説明ができる人のことです。

2015年4月1日に、それまで呼ばれていた取引主任者から取引士へと呼称が変更になりました。

今回はこの宅地建物取引士に関してご紹介します。

 

宅地建物取引士の特徴について

土地や建物を売買したり、あるいは賃貸の仲介をする業者には必ず、従業員5人に1人以上の割合で宅地建物取引士が必要になります。

不動産に関わる売買や賃貸は不可欠なものであることからニーズも高く、国家資格の中でも抜群の知名度を誇っています。

宅地建物取引士には3つの独占業務があります。

 

3つの独占業務とは

まず重要事項の説明が宅地建物取引士の独占業務として挙げられます。

これは不動産を購入しようとする人、あるいは借りる人に対して、契約前に対象となる不動産に関する説明を行うものです。

対象物件の広さや設備、登記に関することや手付金、キャンセル時の取り決めなどがその内容になります。

十分に理解してもらえるまで説明する義務があります。

不動産には多額な金額のお金が絡むので、トラブルの発生を防ぐことが目的となります。

不動産の用途や使用上の制限、また電気やガスといったインフラの整備状況なども説明します。

次に、説明をした重要事項説明書への記名・押印をして交付をするのも、宅地建物取引士の業務です。

そのようにして重要事項説明書の内容に納得してもらった上で契約を結ぶことになります。

その契約書の内容に不備が無いかを確認して記名と押印をするのが、3つ目の業務です。これは37条書面への記名と押印と呼ばれます。

 

資格の取得方法について

宅地建物取引士の資格を取得するためには、国家試験を受けて合格する必要があります。

試験は毎年10月の第3日曜日に行われますが、受験資格は誰にでもあります。試験内容は大きく分けると、次の4科目となっています。

  • 権利関係
  • 法令上の制限
  • 宅地建物取引業法
  • その他法令

権利関係からは民法が11問、 借地借家法が2問、区分所有法が1問、不動産登記法が1問出題されます。

法令上の制限からは都市計画法が3問、建築基準法が3問、国土利用計画法が1問、農地法が1問、土地区画整理法が1問、宅地造成等規則法が1問となります。

宅地建物取引業法からは16問が出題されます。

その他法令としては税法や不当景品類及び不当表示防止法、住宅金融支援機構法や地価公示法などから出題されることになります。

試験は四肢択一のマークシート方式となっています。毎年合格基準は変わりまずが、およそ70%正解で合格できるとされています。

 

試験に合格するための勉強について

宅地建物取引士の試験に合格するためには、200時間から300時間ほどの時間がかかるとされます。

勉強期間として3ヶ月から半年くらいかけるケースが多いようです。合格の確率はおよそ15%から17%ほどとなっています。

勉強方法としてはスクールに通ったり通信教育を受ける他に、独学で学ぶケースも多く見られます。

独学の方法としては同じ問題集を何度も繰り返し解いて、解らないところを参考書で確認するというパターンが効率的のようです。

スクールや通信教育には次のようなものがあります。

資格の大原の宅建コースは創立50年にわたる長い実績が人気となっています。エルエーの宅建講座は合格返金制度を導入したことで、申込者数が増加しています。

またTACの宅建講座は夏からスタートできる短期集中講座が人気を集めています。

LECの宅建講座の場合は自宅で学習できる通信講座や書籍で有名です。

また初めて学ぶ人から受験経験者まで、幅広い受験者に対応したコースを用意しています。

活躍できる業界について

宅地建物取引士は不動産会社はもちろんのこと、他にも様々な業界で活躍できます。

まず建築関係の会社の場合ですが、自社で建設した物件を当事者として販売するケースもあります。

そのような場合、宅建業の資格が必要になります。

そのために宅地建物取引士の資格取得を推奨する建築会社が増えています。

不動産関係や建築関係の他にこの資格を必要とする会社に、金融関係があります。

これは不動産に対する貸し出し業務が金融機関の大きな柱となっているからです。

融資には担保となる不動産に関する知識や、法的な知識も必要になります。

都市銀行はほとんどがグループ会社に不動産会社を所有しています。

そして近年、貸金業法の改正によって、不動産売買契約の仲介を活用した不動産担保ローンも増えています。

そのために宅地建物取引士の資格を持つ社員を常駐させるようになっています。

また、宅地建物取引士とは異なる業務に携わる不動産管理会社も有資格者を増やしています。

マンションを販売し管理業務を行う他にも、分譲の仲介も行うケースが増えているからです。

マンションを仕入れて販売するためには、宅地建物取引士の資格が必要となります。

 

contents-66-2この資格の魅力とは

日本の主要企業で最も取得が奨励されている資格が、宅地建物取引士です。その理由は、土地や建物が企業活動の基盤となっているからです。

そして住宅メーカーや銀行、保険会社といった金融機関をはじめとして、業種を問わずにあらゆる企業の総務や財務部門で必要とされています。

会社の資産管理と運用に不可欠であるからです。

このように需要が益々増えていることが、宅地建物取引士の魅力と言えます。

また、資格を保有しているだけで資格手当として、毎月15,000円から30,000円ほどを支給されることも人気の理由となっています。

実はこの資格を取得することで増える収入の金額は、この資格手当となります。

つまり有資格者だからといって大幅に収入が増えるというわけではありません。

不動産に関わる仕事に従事するという点で、一般の職業よりも高めの年収になるということはあります。

 

取引士として登録されるために

実は宅地建物取引士は試験に合格しただけでは登録できません。

登録申請までには実務経験が2年以上必要だからです。

その後登録しなければ、取引士として活躍することはできないのです。

けれども実務経験が2年に満たなくても、(財)不動産流通近代化センターが実施する「実務講習」(受講料25,000円前後)を受けることで登録要件を満たせます。

その上で宅地建物取引士証の交付を受けて、業務を始めることができるわけです。

さらに取引士として業務を続けるためには、5年ごとに資格の更新をする必要もあります。

単に資格を保有するだけであれば、特に更新手続きは必要ありません。

 

宅地建物取引士に向いている人

この資格を取得するのに向いている人は、論理的に考えることが得意な人と言われます。

不動産に関する専門用語や難しい知識を、誰にでも分かりやすく説明する必要があるからです。

お客さんに十分理解してもらった上で契約し、トラブルの発生を未然に防ぐのが目的となります。

 

終わりに

宅地建物取引士は不動産関係はもちろんのこと、あらゆる業種の企業で必要とされる資格です。

この需要の多さが魅力であり人気の理由と言えます。

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