ビル経営管理士とはどのような資格?取得方法や年収を解説

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ビル経営管理士とは?

ビル経営管理士は1991年に創設された民間資格で、ビルの経営に関して必要な計画立案能力や、テナントに対する不動産の各種契約の交渉、賃料回収などを行う能力、又は建物の維持や保全に関して必要な知識を身につけていることが求められます。

具体的には延べ面積が1000平米を越える賃貸ビル経営の専門家として従事するための資格です。

ビル経営管理士の役割とは?

ビル経営と聞いてどういうものを思い浮かべるでしょうか。

ごく簡単にいうと、ビルを賃貸物件としてテナントに貸し出し、その対価として賃貸料収入を得ることです。

では、具体的には何を管理するのでしょうか。

同じビルといっても、用途によって建て方も違います。ビルを建てるためには資金調達計画を練らないといけません。
賃貸料の相場を考える必要がありますし、長期に渡った修繕計画を考えておく必要もあります。

実際にビルが建てば、テナント募集をしないといけません。契約を結び、実際に賃貸料収入を管理します。何らかの依頼やクレームが寄せられるのはよくあることです。

それだけではありません。

ビルというのは放っておいても維持されているわけではありません。警備、防犯体制も必要です。共用施設の掃除やメンテナンスもしないといけません。

このように、ビル経営、ビル管理というのは非常に多岐にわたります。もちろんビル経営管理士自身がこれらの仕事の全てを自ら行えるわけではありません。

管理士の行う仕事はあくまでもこれらをどのように行えばよいかを計画、立案し、そのとおり行われているかを管理、監督し、必要に応じて適宜修正するということにあるのです。

資格を取得するには?

ビル経営管理士試験を受けて合格する必要があります。

受験資格に制限はありませんが5年以上の実務経験と賃貸ビル管理の実務経験が2年以上必要、又は不動産経営管理の実務経験が5年以上でビル経営管理士講座の修了者、もしくは賃貸ビル経営の実務経験が3年以上の者、あるいは賃貸ビル管理の実務経験が2年以上でビル経営管理士講座の修了者となっています。

試験内容ですが、上に挙げたような管理士の業務に沿った内容の問題が出題され、ビル経営に関する企画立案、賃貸営業、管理運営の3科目と、総合問題が出されます。

具体的には、賃貸ビルの企画・立案に関する知識では、事業計画、ビルの商品企画、ビル建設と法規制、不動産投資理論、不動産事業の税務と会計及び事業分析、不動産の証券化に関するしくみと法制及び税制、長期事業収支計画・長期維持管理計画、不動産特定共同事業・事業管理者実務、不動産投資顧問業登録制度、正当な注意義務や努力の調査項目と結果分析、不動産投資市場及び流通市場の知識と分析、金融市場の動向に関する知識と分析、遵法性の確保その他の専門知識となっています。

他に賃貸ビルの賃貸営業や管理運営、総合記述問題も出されます。

国土交通大臣の認定資格であり不動産特定共同事業法の業務管理者の要件、及び総合不動産投資顧問業登録の人的要件、並びに金融商品取引法の不動産関連特定投資運用業登録の要件を身に付けている必要があります。

3科目については選択式で、総合問題については記述式となっています。

試験日は毎年12月中旬頃で全国6ヶ所の受験地で行われ近年の合格率は65%から70%とされます。

一度合格すると、資格は生涯にわたって有効ですが、5年ごとに登録をしなおす必要があります。

なれる職業とは

ビル経営に関するスペシャリストとして、ビルのオーナーと実際に手足を動かす管理会社との間を取り持つ仕事に就くことが多いでしょう。

その他、ビルメンテナンス関係の就職が見込めます。

持っているとどの程度の年収?

平均的には500万円程度でしょうが、もちろん管理するビルの数や規模、どれだけ高度な企画立案、営業、運営業務を任されるかによっても異なります。

小規模なビルの経営管理であれば300万円程度とさほど高くないかもしれませんが、規模が大きくなり内容的にも高度なスキルが要求されるようになってくると700万円程度にはなるでしょう。

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