不動産取得税の計算方法と注意点について

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contents-61-1不動産を取得すると、忘れた頃に送られてくるのが不動産取得税の納付書です。

住宅などを購入した時には、まずどの程度の不動産取得税が課税されるのかを計算して用意しておくことが大切です。

 

不動産を取得したら申告が必要

一戸建てやマンションを購入すると、物件のある地域を管轄する都道府県税務署から不動産取得税の納付書が送られてきます。

これは特に申告をしなくても勝手に送られるものですが、注意点があります。

平成30年3月31日まで、この不動産取得税を減額する軽減措置が取られています。

不動産を取得してからその申告をしておかなければ、この軽減措置を受けられない場合があります。

申告が必要となる期限は地域によって異なりますが、20日から60日となっています。

ただし、特に申告をしなくても、きちんと軽減措置を受けられる条件を満たしているか確認した上で減額された税金の納付書が送られることもあります。

また、特に連絡も無く納付書が送られてこないケースもあります。

この場合には、軽減措置が取られたために課税されなかったと考えられます。

もっともこれはどの地域でも必ず行ってくれるわけではないので、まずは自分で取得の申告をすることが大事です。

 

どんな時に不動産取得税は課税されるの?

不動産とは、「土地」や「家屋」などを示しますが、「取得」した時点で不動産取得税は発生します。

ここで言う取得とは、有償か無償かは問われません。

つまりただで手に入れたとしても課税されるわけです。

売買の他に贈与や交換でも、取得とみなされます。

また新築でも増築・改築でも取得となります。

ただし、相続の場合は課税対象とはなりません。

これは元の所有者が意思を持って次の所有者となる人に渡しているわけではないからです。

同様に法人の合併や分割に伴う場合、2年以内の債権消滅により「譲渡担保財産の設定者」へ所有権が移転した場合は課税されません。

譲渡担保とは、担保物件の所有権を債権者に移すことを表します。

債務者は担保物件を借りる形となりますが、債務の弁済を完了することで所有権が元の債務者に戻るものです。

つまり、2年以内に債権を弁済することで所有権を取り戻すということです。

この場合には、不動産取得税は課税されないというわけです。

話を戻しますが、家屋とは住宅の他に店舗や工場、倉庫なども該当します。

そして土地は宅地の他に農地なども該当することになります。

そして注意点があります。

相続ではなく生前贈与という形で不動産を譲り受けると、取得税が発生します。

また家屋が建っている土地を手に入れるとその土地と家屋に対しての取得税が発生しますが、その家屋を取り壊して新たに家を建てた場合にも、その家屋に対してさらに課税されることになります。

 

登記をしていなくても課税される

不動産を取得したら取得税が課税されますが、これは登記していなくても同様です。

中には登記費用を払わないために、あえて登記しない人もいますが、それでも取得したことに変わりはありません。

きっちりと取得税は発生します。

注意が必要なのは、不動産の売買契約を交わして取得した後、何らかの理由によりその契約はキャンセルにより破棄された場合です。

ほんの一瞬だけ所有権が移転しただけでも不動産取得税は発生します。

例えば購入したマンションに隠された瑕疵があったと判明した場合、一度なされた登記を抹消し、購入者から売主に物件は戻されることになります。

この場合、その理由がどのようなものであっても、所有権が売主から買主へ移り、そして買主から売主へ戻ったという事実は変わらないものです。

そのためにこの場合、購入者も売主も不動産取得税を納付する必要があります。

 

不動産取得税の計算方法と軽減措置について

不動産取得税の計算方法は、次のようになります。

課税標準×税率

課税標準は原則として、「固定資産課税台帳登録価格」が適用されます。

金額としては、取引金額のおよそ7割ほどとなります。

もし、この固定資産課税台帳登録価格が設定されていない場合には、都道府県知事がその額を決定することになります。

次に税率ですが、通常は4%です。

ただし平成30年3月31日までに取得した場合には軽減措置が取られて3%となります。

さらに平成30年3月31日までに取得した不動産に対しては軽減措置により一定金額が控除されます。

個人で使用することを前提として、床面積が50平方メートルから240平方メートルまでならば課税標準から1,200万円が控除されます。

さらに長期優良住宅であれば、控除額は1,300万円となります。

中古物件であれば、新耐震基準に適合していることが証明された上で、建築された時期に応じて控除額が決まってきます。

もし、投資用として取得したのであれば、床面積は40平方メートルから240平方メートルとなります。

ここで注意したいのは、マンションの床面積です。

一般にマンションの場合、その広さは様々な計算方法があります。

登記簿上では内法面積といって、壁の内側で囲まれた部分で計算されます。

その面積が50平方メートルに満たないからといって軽減措置を受けられないと勘違いする場合がありますが、実際には異なります。

共有部分のそれぞれの持分も加算される現況面積が判断基準となります。

宅地を取得した場合には、課税標準にさらに2分の1を乗じることになります。

そして、次の計算をします。

(土地評価額×1/2÷土地面積)×(住宅の床面積)×2×3%)

ただし、この床面積は200平方メートルまでとなります。

そしてここで算出された額が45000以上となれば、最初に算出した取得税から控除されます。

不動産取得税で注意したいこと

まず不動産を取得した場合には、必ず地域によって定められた期限内に申告することが大切です。

そのまま放置しておくと、最悪の場合には軽減措置が受けられないからです。

そして課税対象となる金額は取得金額ではないことも知っておく必要があります。

また、納税額が高額となる場合には分割払いにも対応してくれます。

ただし、これは明確に規定があるわけではないので、対応は地域によって異なります。

また金利負担もかかるので、場合によってはカードローンで借りた方が安く済む場合もあります。

 

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